学校法人会計の元帳は通常、総勘定と資金収支の2系列となっています。理論的には1取引に対して2つの仕訳が発生することになりますが、それぞれをシステムに入力するのはあまりにも繁雑ですから、通常は片方の仕訳のみを入力して他方は自動的にプログラムが判断して計算します。
企業会計のソフトウェアを意識して開発している場合は、総勘定入力方式になります。通常の処理は特に学校会計ということを意識せずに入力できます。
資金収支ベースとして開発する場合は、当然資金収支科目入力方式をとります。
総勘定入力方式・資金収支科目入力方式を比較した場合、それぞれに長所・短所はありますが、総勘定入力方式であれば学校会計になれた担当者であっても科目に~収入、~支出とつかないだけで違和感はなく、企業会計だけしか知らない新しい担当者も従来の知識だけで使い始められるという点で総勘定入力方式が優位であるといえるでしょう。
下記の事例の仕訳を入力した場合は1取引1仕訳のみで、総勘定元帳と資金収支元帳が自動的に作成されます。
これはその総勘定入力方式のソフトウェアの例ですが、コード0000112の建物の仕訳を入力すると、自動的に貸借対照表の建物と資金支出(活動区分資金収支支出)の建物支出へと金額が流れるという仕組みになっています。
同様に、授業料のコードを入力した場合は事業活動収入の授業料と、資金収入(活動区分収入)の授業料収入に自動的に金額が流れるという仕組みになっており、大変使い勝手の良い考えられたマスター構成になっています。これにより総勘定入力方式は商業簿記の初心者でもわかり易い仕組みであるといえます。