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学校会計のチカラ
私立学校法及び法人税法における収益事業

投稿日:2018/04/18

4月の「学校会計のチカラ」第3回は、私立学校法及び法人税法における収益事業について説明します。
両者は「収益事業」という文言が同じため混同されがちですが、そもそも法律が違うため内容が異なります。私立学校法の収益事業を行っていないから法人税の収益事業も行っていない、と誤解をしないように注意してください。

1 私立学校法における収益事業

私立学校法において収益事業は、第26条において以下のように定められています。

(収益事業)
第二十六条 学校法人は、その設置する私立学校の教育に支障ない限り、その収益を私立学校の経営に充てるため、収益を目的とする事業を行うことができる。
2 前項の事業の種類は、私立学校審議会又は学校教育法第九十五条に規定する審議会等(以下「私立学校審議会等」という。)の意見を聴いて、所轄庁が定める。所轄庁は、その事業の種類を公告しなければならない。
3 第一項の事業に関する会計は、当該学校法人の設置する私立学校の経営に関する会計から区分し、特別の会計として経理しなければならない。

学校法人が収益事業を行う場合の要件として、第1項で私立学校の教育に支障がないこと、収益を私立学校の経営に充てることを定めています。
公告されている収益事業の種類も、文部科学大臣が所轄庁である学校法人については、文部科学省告示として18業種が告示されています。都道府県知事が所轄庁である学校法人についても、これに従った収益事業の種類が告示されています。

そして、学校法人が私立学校法による収益事業を実施する場合には、以下の第30条第1項第9号にあるように、その事業の種類その他事業に関する規定を寄附行為に定めなければならないとされています。

(申請)
第三0条 学校法人を設立しようとする者は、その設立を目的とする寄附行為をもつて少なくとも次に掲げる事項を定め、文部科学省令で定める手続きに従い、当該寄附行為について所轄庁の認可を申請しなければならない。
一 目的
(中略)
 九 収益を目的とする事業を行う部分には、その事業の種類その他その事業に関する規定

学校法人が新たに収益事業を開始、追加する場合には、以下の第45条の規定による寄附行為の変更認可が必要となります。

(寄附行為変更の認可等)
第四十五条 寄附行為の変更(文部科学省令で定める事項に係るものを除く。)は、所轄庁の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 学校法人は、前項の文部科学省令で定める事項に係る寄附行為の変更をしたときは、遅滞なく、その旨を所轄庁に届け出なければならない。

2 法人税法における収益事業

法人税において収益事業は、第2条第13号において以下のように定められています。

(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 国内 この法律の施行地をいう。
(中略)
十三  収益事業、販売業、製造業その他の政令で定める事業で、継続して事業場を設けて行われるものをいう。

政令に定められている収益事業の種類として、法人税法施行令で34業種が定められています。

3 私立学校法及び法人税法における収益事業の相違点

(1)私立学校法
私立学校法の収益事業に該当するかの判断は、第26条第1項の要件を充たしたうえで所轄庁の認可と寄附行為の定めが必要など、手続面や形式面での外形的な判断が可能となります。
(2)法人税法
法人税法の収益事業に該当するかの判断は、あくまで上記34業種に該当するか、それが継続して事業場を設けて行われているかなど、学校法人が行っている行為の実質面で判断されます。所轄庁の認可や寄附行為の定めなどの形式的な判断とは無関係であり、内容からの個別的・実質的な判断となります。
学校法人の寄附行為からだけでは判断することはできませんので、寄附行為に収益事業として定められていないが法人税法では収益事業に該当するものも多く存在します。したがって、学校法人が寄附行為に定められている収益事業を行っていなかったとしても、法人税法の申告が必要となる場合もありますので注意が必要です。

以上

斎藤総合税理士法人 照井


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