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学校会計のチカラ
法人税 1

5月からは4回にわたって法人税について解説いたします。
昨年5月も法人税について解説しておりますが、前回触れられなかったところを中心に述べたいと思います。
まずは、個別的収益事業について解説いたします。

(1)請負業

請負業のうち、次に掲げるもの以外のものが収益事業となります。

① 法令の規定に基づき国又は地方公共団体の事務処理を委託された法人の行うその委託に係るもので、その委託の対価がその事務処理のために必要な費用を超えないことが法令の規定により明らかなことその他財務省令で定める要件を備えるもの

② 土地改良事業団体連合会、特定法人が行う特定の請負業

③ 私立学校法第3条に規定する学校法人がその設置している大学に対する他の者の委託を受けて行う研究に係るもの(当該研究に係る実施期間が3月以上のもので、その委託に係る契約又は協定において当該研究の成果の帰属及び公表に関する事項が定められているものに限る)

請負業には、建築の請負等のほか事務処理の委託を受ける業を含むとされていますので、その範囲は広く、ほかの者の委託に基づいて行う調査、研究、情報の収集及び提供、手形交換、為替業務、検査、検定等が含まれます。
これらの請負業には、前記の①~③に該当するものを除き、国又は地方公共団体から委託を受けたものも含まれます。(法基通15-1-27)

また、学校法人等が請負業としての性質を有する業務を行う場合であっても、契約等に基づき実費弁償方式により行われるものであり、かつ、一定の期間(おおむね5年以内)について所轄税務署長の確認を受けたときは、その確認を受けた期間については収益事業に含めないこととされています。(法基通15-1-28)
産学連携により企業などから研究受託を受けた場合、文部省通知(「私立大学における受託研究について」平成14年4月4日)によった契約書によって行う受託事業は、原則として請負業に該当しないことになりました。
下記に通知をあげていますのでご参考にして下さい。

私立大学における受託研究について(通知)

14文科高第26号
平成14年4月4日
私学部長通知

 このたび、法人税法施行令(昭和40年政令第97号)の一部が改正され、本年4月1日より、私立大学(短期大学を含む。以下同じ。)に対する他の者の委託に基づいて行う研究(以下「受託研究」という。)について、一定のものが法人税法施行令第5条第10号に規定する請負業の範囲から除外されることとなりました。
私立大学が経営基盤を強化し、研究活動の活性化・高度化を図ることや、産学官連携の推進により私立大学における研究成果が活用されることは、「科学技術創造立国」の実現や新産業の創出等に資するものであることから、今回の改正に伴い、私立大学がより一層受託研究に取り組むことが期待されています。
ついては、私立大学において受託研究を実施する上での留意点について、下記のとおりとりまとめましたので、事務処理上遺漏のないようお願いします。また、私立大学における受託研究契約書(例)を添付しますので、参考資料として御活用ください。

 記

  1. 受託研究に要する経費は、学校法人の会計を通して経理すること。
  2. 受託研究に要する経費を明確にし、受託研究に係る契約又は協定(以下「受託研究契約書等」という。)に明記すること。なお、受託研究の受入れに当たっては、当該研究遂行に関連し直接経費以外に必要となる間接経費を受け入れることができること。
  3. 受託研究の実施期間を明確にし、受託研究契約書等に明記すること。なお、受託研究の実施期間が3か月未満のものについては、収益事業の範囲から除外される対象とならず、法人税の課税対象となること。
  4. 受託研究の結果、知的所有権が生じた場合の権利等研究成果の帰属に関する事項を定め、受託研究契約書等に明記すること。なお、受託研究契約書等に研究成果の帰属に関する事項が明記されていないものについては、収益事業の範囲から除外される対象とならず、法人税の課税対象となること。
  5. 受託研究の研究成果は公表を基本的に前提とし、公表に関する事項を定め、受託研究契約書等に明記すること。なお、研究成果の公表を前提としないもの及び受託研究契約書等に研究成果の公表に関する事項が明記されていないものについては、収益事業の範囲から除外される対象とならず、法人税の課税対象となること。

(斎藤総合税理士法人 税理士 内藤浩之)


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